翡翠の若葉亭

らぶらぶハプニングデート!?

「ねぇ、一体どうしてなの?どうして先輩が」

 ユリンは呆然と先輩を見つめた。 

「残念だったな、魔法少女ユリンたん。僕の正体は暗黒拳闘士。君を倒すべくアークマ星からやってきたのだ!」

 デートに誘ってくれた先輩。しかし、それはユリンを倒すための優男の罠だった……。

「そんな、そのためだけに魔物にみんなを襲わせたの!?」

「ああ、そうだ。悪いか?」

「許せない!セイくん、お願い!」

 ユリンは頼りになる、黒猫セイくんを呼び出す。

「おーけー!行くよ、ユリンたん!」

「うん!」

 セイくんの言葉に少女ユリンはうなづいた。

「マジカル!ミラクル!プリンセス!みんなの愛の力で変・身♪」

 ユリンが呪文を唱えると、体がキラキラの光に包まれる。
 そして、光が消えると、ユリンはピンクのフリフリ衣装に変わっていた。手には可愛らしい魔法ステッキを持っている。

「この魔法少女ユリンたんがおしおきしちゃうんだからっ!」

 そして、いつもの悩殺キメポーズ。
 このシーンで、多くの大きなお友達をノックダウンさせたとか。

「そうそう。僕が戦いたかったのは強い君だよ。普通の女の子の君を倒してもしょうがないからね」

 そう言って、暗黒拳闘士は拳を構える。

「行くぞ、シャドウパーンチ!」

 暗黒の力の拳がユリンを襲う。技のネーミングセンスが悪いのは仕様である。

「痛っ!避けたはずなのに痛みが……」

 ユリンは可愛らしいトーンで荒い声を上げる。

「そうだろ。このシャドウパンチは技を打ち出す衝撃波でもダメージを与えられる技なのだ」

「そんな、ウソでしょ」

「ウソではない。魔法少女ユリンたん、これでトドメだ!」

 ごめんみんな……。そう、ユリンが思ったとき。

「させませんよ!」

 軽い音ともに、紐のようなものが暗黒拳闘士の両手に絡みついた。まるで手錠のように。

「だ、誰!?」

「一つ浮世の血をすすり、二つ不埒な悪行三昧、三つ醜い悪を成敗してくれよう、旅するメイド!」

 謎の決め台詞とともに着陸するメイドさん。

「え、どういうこと」

「ユリンさん、私は貴方の味方です。さぁ、今のうちに魔法を!」

「は、はい!」

 ユリンは大慌てで魔法ステッキを構える。

「やめろ、ユリン!」

 暗黒拳闘士の声もむなしく、ユリンはステッキを構える。

「マジカル!ミラクル!パラリラリ~!」

「ぐぁぁー、やめろー」

 眩い光が暗黒拳闘士を包む。
 そして、拳闘士は姿を消してしまった。

「やったわ!ってあれ?」

「どうしたの?ユリンたん」

 セイくんが聞くと、ユリンは不思議そうな顔をした。

「あのメイドさん、どこか行っちゃった。お礼言いたかったのにな」

「そっかー。でもきっとまた会えるよ」

「うん。そうだね。セイくん」

 こうして、強敵暗黒拳闘士を倒したユリンたん。しかし、あのメイドは何者だったのか。それはともかく。
 すごいぞ、魔法少女ユリンたん!戦え、魔法少女ユリンたん!

 続く。

(エンディング)

 CM

「ユリンたん、何食べているの?」

「セイくんのだーい好きな魚肉ソーセージだよ。食べる?」

「うん!」

 魔法少女ユリンたんの魚肉ソーセージが出たよ!お買い求めはスーパーでね♪


 次回予告

「今日は転校生が来るんだって!でもね、なーんかあの子にあったことあるような気がするんだ。何でだろう?」

「次回マジカル☆ユリンたんは『えー!嵐を呼ぶ転校生!?』」

「貴方には負けないんだからっ……!」


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